不動産売却の現状渡しとは?メリットとデメリットについても解説

不動産売却の現状渡しとは?メリットとデメリットについても解説

不動産の売却を検討しているものの、古い設備や傷んだ箇所の修繕に多額の費用をかけるのは負担が大きいとお悩みではありませんか。
そんなときに選択肢となるのが「現状渡し」という売却方法です。
現状渡しなら修繕費用をかけずに売却できますが、価格面や責任面での注意点もあるため、メリットとデメリットをしっかり理解したうえで判断することが大切です。
不動産売却を現状渡しでご検討中の方に向けて、現状渡しとはなにかメリットとデメリットについて解説するため、ぜひ参考になさってください。

不動産売却の現状渡しとは?

不動産売却の現状渡しとは?

不動産売却における現状渡しとは、売主が物件の修繕や清掃、リフォームなどを一切おこなわず、現在の状態のまま買主に引き渡す契約形態を指します。
古い設備や劣化した箇所があっても、そのままの状態で売却することになります。
ここでは、不動産売却前にぜひ知っておきたい「現状渡し」について見ていきましょう。

現状渡しとは

現状渡しとは、文字通り「現在の状況のまま渡す」という売却方法です。
壁紙の汚れ、床の傷、設備の経年劣化など、物件の状態を改善せずに引き渡すことを意味します。
通常の売却では、売主が物件を綺麗にしたり故障箇所を修理したりすることが一般的ですが、現状渡しではそれらを省略できます。
この売却方法は、相続した古い物件や遠方にある管理が難しい物件、早急に現金化したい物件などで選択されることが多いでしょう。

売主に課される告知義務

現状渡しで売却する場合でも、売主には告知義務が発生します。
告知義務とは、物件に関する重要な情報を買主に伝える法的な責任のことです。
たとえば、雨漏りやシロアリ被害、過去の事件・事故、設備の不具合など、物件の価値や買主の判断に影響を与える可能性のある事実は、事前に正確に伝えなければなりません。
告知義務を怠ると、後でトラブルになる可能性があるため注意しましょう。

契約不適合責任との関係

現状渡しの契約では契約不適合責任についても明確にしておく必要があります。
契約不適合責任とは、引き渡された物件が契約内容に適合していない場合に、売主が負う責任のことです。
現状渡しの場合、契約書に「契約不適合責任を負わない」という特約を設けることが一般的ですが、この特約があっても告知義務違反があれば責任を問われることになります。
知っていた欠陥を隠していた場合や、告知すべき事項を伝えていなかった場合には、現状渡し契約であっても売主は責任を免れることはできません。
契約書には物件の現状や既知の不具合を明記し、買主との間で認識の齟齬が生じないようにすることが重要といえるでしょう。
また、契約前にホームインスペクション(住宅診断)を実施することで、物件の状態を客観的に把握し、トラブルを未然に防ぐことも可能です。

不動産売却を現状渡しでおこなうメリット

不動産売却を現状渡しでおこなうメリット

現状渡しでの売却は、売主と買主の双方にメリットがあります。
まず売主側のメリットとしては、修繕やリフォームにかかるコストを削減できる点が挙げられます。
ここでは、現状渡しでおこなうメリットについて見ていきましょう。

メリット①修繕・リフォームのコストを削減できる

現状渡しの最大のメリットは、修繕やリフォームにかかるコストを負担しなくて済むことです。
古い物件の場合、水回りの交換や外壁の修繕、畳の張り替え、壁紙の貼り替え、フローリングの補修など、売却前の整備には数十万円から数百万円の費用がかかることもあります。
現状渡しであれば、これらの費用をすべて省略できるため、売主の金銭的負担が大幅に軽減されるでしょう。
特に遠方にある相続物件や、すでに別の住居に移っている場合などは、修繕の手配や立ち会いの手間も省けるため、時間的なメリットも大きいといえます。
売却のために一時的に多額の資金を準備する必要もないため、手元資金が少ない場合でも売却を進めやすくなります。

メリット➁早期売却が実現しやすい

現状渡しは早期売却につながりやすいという利点もあります。
修繕やリフォームをおこなう場合、業者の選定から工事完了まで数週間から数か月かかることもありますが、現状渡しであればそのプロセスをスキップできます。
急いで現金化したい場合や、相続税の納付期限が迫っている場合、住み替えのスケジュールが決まっている場合など、スピードを重視する売却では現状渡しが有効な選択肢となるでしょう。
買主側にとっても、現状渡し物件は購入価格が相場より安く設定されることが多く、自分好みにリフォームできるという自由度があります。

メリット③買取の場合は契約不適合責任が免除される

不動産買取業者に売却する場合、契約不適合責任を負わない条件で取引されることが一般的です。
買取業者は物件の状態を専門的に査定したうえで買い取るため、引き渡し後のトラブルリスクが低く、売主は安心して売却できます。
買取であれば仲介手数料も不要で、売却までの期間も短縮できるため、現状渡しとの相性が非常に良い売却方法です。
また、買取の場合は内覧対応の回数も最小限で済むなど、売主の負担が軽減される点もメリットといえます。

不動産売却を現状渡しでおこなうデメリット

不動産売却を現状渡しでおこなうデメリット

現状渡しにはメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
売主と買主の双方が理解しておくべきリスクがあるため、慎重に検討する必要があります。
ここでは、現状渡しのデメリットについて見ていきましょう。

デメリット①売却価格が相場より低くなる

もっとも大きなデメリットは、売却価格が低くなる傾向があることです。
現状渡し物件は、購入後に買主自身が修繕やリフォームをおこなう必要があるため、その分を見込んで価格が下げられます。
特に築年数が古い物件や、設備の劣化が進んでいる物件では、相場よりも大幅に安い価格でしか売れないケースもあります。
また、急いで売却したいあまり、必要以上に安く手放してしまう可能性もあるため、適正価格の見極めが重要といえるでしょう。

デメリット➁契約不適合責任のリスクは残る

現状渡しであっても、契約不適合責任が完全に免除されるわけではない点に注意が必要です。
契約書に「契約不適合責任を負わない」という特約を記載しても、売主が知っていた欠陥を故意に隠していた場合には、引き渡し後に買主から損害賠償や契約解除を求められる可能性があります。
たとえば、雨漏りの事実を知っていながら告知しなかった場合、現状渡し契約であっても責任を問われることになります。
そのため、売主は物件の状態を正確に把握し、契約書に詳細に記載しておくようにしましょう。

デメリット③購入希望者が限定される可能性

現状渡し物件は購入希望者が限定される傾向があります。
一般の個人買主は、すぐに住める状態の物件を好むため、現状渡し物件は敬遠されがちです。
その結果、売却期間が長引いたり、買取業者などに限定されて価格交渉で不利になったりする可能性もあります。
売却を成功させるためには、ターゲット層を見極めた販売戦略が必要といえるでしょう。

まとめ

不動産売却の現状渡しは、修繕コストの削減や早期売却というメリットがある一方、売却価格の低下や契約不適合責任のリスクというデメリットも存在します。
特に告知義務は現状渡しであっても免除されないため、物件の欠陥や不具合については正確に買主に伝えることが重要です。
自分の状況や物件の状態を考慮し、不動産会社や専門家に相談しながら、最適な売却方法を選択しましょう。

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